阿刀田高の記事が雑誌 1 に載っていた。この記事の中にこんな一文があった。
「ー月は偉いなー
と思った。黒い夜にたった一人で歩んでいる。冴え冴えと美しいのに、その美しさをことさらに誇るわけでもなく静かに己を映し出している。たった独りは、
ー月の矜持なんだー
相棒なんていなくたって平気、自尊心をしっかりと保持しているのだ」 2
老齢は月のように生きたい、一人であることにめげずに、と文章は続く。
とある。
月の矜持
なんと気持ちのよい言葉だろうか。
独りでも問題ない、何を心配することがあろうか、と思う。
ここ紗月堂には、「月」が隠されている。偶然なのか運命なのか、私には「月」が似合っている。